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心の闇

こういう仕事をしてると人の心の闇に触れることもあります。
ただ単に顔にコンプレックスを持ってるだけではなくてその人の生きてきた人生にも何か大きなきっかけがあるんじゃないかと、そういう心理に興味があるというか。

もちろん怪我や病気でやむを得ずという人もいらっしゃいますが、大半来られる方は容姿、体系など、周りの目又は自分自身に不満を持ってる方が多いといいますか。
ある日40代半ばの結婚もされていてお子さん中学生と高校生のお子さん2人いる、落ち着いた清潔感のある見た目にはなんの問題もなさそうな方がカウンセリングにこられました。

カウンセリングに当たられた先生が質問する前に言った言葉が、「実は主人と子供が反対をしていまして・・・先生はどう思われますか?」という言葉で、何でも数年前から鏡をみると日に日に顔がたるみ昔はパッチリとした二重だったのがどんどん奥二重になってゆき、一旦このことを気にするとそのことが頭から離れなくなって最終的には化粧すらするのも嫌になってきたとのことで。

そしてずっと抱えてたこのことを思い切ってご主人さんやお子さんに話したところ「今更そんなことして何になるの?」とか「別にそのままでいいじゃん」など、みんなに反対されて更に気にするようになって、自分で踏ん切りがつないままこちらに相談にみえたというのです。

先生の対応

先生はクライエントさんおお話をじっくり聞いて「ずっと一人で悩まれてたんですね、それは辛かったでしょうね」と優しく声をかけた後に「ただ、私に整形についてどう思われますかと聞かれましたが、それよりも自分がどうしたいのかが大事だと思います。

○○さんはどうされたいですか?」と相手に問いかけられ、「私は・・・どうしたいのか解りません。家族のことを思えば辞めたほうがいいということは解ってますが・・・」と迷ってるといった様子で、あいまいな答えが返ってくるだけでした。
「顔をかえるというのは、ご主人やお子さんにとっては今まで見慣れた顔が違うものになってしまうというご家族の方ももしかしたらあるのかもしれません。○○さんにとっては目だけだし私は変わらないと思っても、周りはどこか変わってしまうことに寂しさや不安だったり。そうこうも含めてもう一度考えてから決めても遅くはないと思いますよ」と。

この先生の言葉に胸が熱くなったのかクライアントさんは涙を流し泣いていました。
きっと心の中ではかなり深刻に悩んで苦しまれたんだとこちらが思うほどに。
それから数ヶ月経って再び相談に来れれたときはもう心の迷いもなく「お願いします」と言っておられました。

初めてカウンセリングを受けて泣いて帰った日に一人一人と自分が数年前から悩んでどんどん気力すらなくなっていくのが辛かったと今まで胸の内に秘めていたことも初めて話したそうです。
こんなに深刻だったと家族のみんなは思ってなかったそうで「本当にしたいならしたらいいよ」と今度はみなさん賛成してくれたようで「これで晴れ晴れとした気持ちで手術できます」と素敵な笑顔で答えていらっしゃいました。